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大正時代の農業本 [野菜たち]

10月だというのに私の町は大変暑いです。
夜になっても寝苦しく、あ、もうすこしで30度じゃないか。
寝つきが悪く、クーラーなんていれています。秋はいずこ・・・。

さてさて、ときどきでかけるトンカ書店さんで、
夏のある日、大正時代の農業の本と出会うことができました。
そのうちの1冊の裏に「甲種農業学校 第三学年」と万年筆で書かれてあり、
おそらく神戸近郊にあった農業学校で使われていた教科書だと思います。
1.jpg
どの本にも墨できちんと名前が書かれています。
本の持ち主は原條(条)さんと言う方だったようです。

備忘録的に書名など・・・次の九冊
 「改訂 作物通論教科書」 大正八年 (発行:明治四十二年) 興文社
 「最近 植物生理教科書」 大正五年 五版 (発行:大正三年) 実業教科研究組合
 「最近 養畜教科書」    大正三年 初版 実業教科研究組合
 「作物教科書」        大正六年 再販 (発行:大正四年) 廣文堂
 「最近 肥料教科書」    大正九年 十一版 (発行:大正五年) 晩成處
 「最近 土壌教科書」    大正九年 十版 (発行:大正五年) 晩成處
 「農産製造教科書」     大正九年 (発行:大正六年) 興文社
 「農藝気象教科書」     大正九年 (発行:大正六年) 興文社
 「果樹教科書」        大正九年 (発行:大正六年) 興文社

印刷された年から推測すると、この本の所有者だった原條さんは
大正九年以降に使用していたのでしょう。

そうして、
前回に続く http://bonjour-konogoro.blog.so-net.ne.jp/2013-10-09
「賢治軸」で考えると、
これら九冊の教科書の初版が出た最終年となる大正六年は、
宮澤賢治は21歳、盛岡高等農林学校3年生の頃。
この本の持ち主だった原條さんが学んでいたと思われる大正九年は、
賢治は24歳、盛岡高等農林研究生を修了した年。翌年12月から稗貫農学校の先生になります。
同じ教科書を使っていたかどうかはわかりませんが(おそらく違うでしょう)、
少なくとも、今回の九冊の本から、当時の農業の様子、状況がわかり、
大正時代にタイムスリップできました。

先ず表紙のデザインがなかなか素敵。
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これは ♪ 蛍の光、窓の雪 ♪ 
蛍雪時代(そういえば同じ名前の雑誌が、かつて旺文社から出ていた、はず)を表している。
学生よ学べ、学ぶのだっ、というメッセージが伝わってくるような・・・。

「農産製造教科書」は「実り」が表現されているデザインですが、
これも学ぶ=実りを表現しているのかもしれません。
6.jpg
実はこの教科書が私としては一番関心のあった一冊で、
ここには、農産物の加工の仕方が書かれていて、
レシピ本のようなもの。
精米や小麦粉の精製方法から、甘酒、味噌、豆乳、納豆
かんぴょう、沢庵、切干大根などの加工・製造法が載っています。
 ・・・その品目に時代を感じます。

その中でハイカラと思えた品目は唯一「ジャム」。
この教科書の持ち主も何かを感じたのか、
その書き込みがたいしたもの。
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どの教科書も書き込みがたくさんあって、この持ち主の勤勉さが伺えるるのですが、
中でもこのジャムのページは断トツの書き込み量でした。

ちなみにほかの本にはこんな「落書きも」
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授業、退屈だったのかな♪

「賢治軸」で観てしまったのは納豆のところです。
「澤村博士の所謂納豆」という一行が気になりました。
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納豆といえば、実は宮澤賢治も少し縁があります。
賢治が高等農林学校在学中に在職していた村松博士、
そして賢治の同級生の成瀬金太郎は近代納豆の尽力者であり、
村松博士については、盛岡で販売されている「盛岡納豆」のラベルに
 http://marukan.xf.shopserve.jp/hpgen/HPB/entries/1.html
詳しい紹介が出ています。機会があったら「盛岡納豆」みてくださいね。

近代納豆についてのサイトをみてみれば →★
ここに出てくる澤村博士は、村松博士や成瀬氏とほぼ同時代の人で
納豆菌の製造とその普及に尽力された方の様です。


「果樹教科書」は、文字通り果樹それぞれのの性質や育て方などが記されていて
ブドウやナシ、クリなど現在と果樹の品目はあまり変わりません。
けれども表記がおもしろい。果樹園のようです。
賢治の作品には「りんご」を「苹果」と表記している場面が多いのですが、
この教科書も「りんご」のページもこの字を使ってありました。
当時は、農業で育てる大きな実になるりんごは「林檎」より「苹果」だったのですね。
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さくらんぼは
「桜桃」とかいてわざわざ「チェリー」とルビがふってあります。
5.jpg

ページをめくって大正時代にタイムスリップしてはたのしんでいますが、
ああ~~だんだん顔やら目やら首やら背中やらが痒くなってきました。
ページをめくった手で無意識に顔なんかさわっちゃったあとには、痒っ~かゆ~です。
以前にも一度お伝えしたかもしれませんが、古本のホコリアレルギーなんです~私・・・。
昭和40年以降の本ならば、ほぼ大丈夫なんですけどね。

ということで、そろそろこのへんで。


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