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宮沢寛治さん!? [宮沢賢治]

7月8日から毎週金曜日夜10時からはじまった
TBSのドラマ「神の舌を持つ男」
http://www.tbs.co.jp/ranmaru_tbs/

毎回のゲストは、2時間サスペンスでよく見るあの人、この人。
そしておきまりのような殺人事件が起こります。
3話以降、主人公がべろーんと舌を出すシーンを
ぼやかすところが増えたように思うのは気のせいでしょうか。

このドラマなんだか面白いです。
そのうちのひとつが「宮沢寛治さん」

第1回目のエンディング、
佐藤治朗さん演じるその宮沢寛治さんは、
賢治の詩の一節をそらんじていました。

  ほたるはみだれていちめんとぶ
   ・・・赤眼の蠍
  萱の髪
   わづかに澱む風の皿・・・・
  蛍は消えたりともったり


これは宮沢「賢治」さんの「春と修羅 第二集」におさめられている
「一五五 [温かく含んだ南の風が]」の一節を引用したものなのでした。

一九二四、七、五の日付けもあるこの作品、
ちょうど番組が始まった頃と同じ時期。
でも何故にこの詩を引用したのかは不明(私の勉強不足か)。
長~い作品ですが、以下に紹介しておきます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

一五五 〔温く含んだ南の風が〕  一九二四、七、五、

温く含んだ南の風が
かたまりになったり紐になったりして   
りうりう夜の稲を吹き
またまっ黒な水路のへりで
はんやくるみの木立にそゝぐ
     ……地平線地平線
        灰いろはがねの天末で
        銀河のはじが茫乎とけむる……
熟した藍や糀のにほひ
一きは過ぎる風跡に
蛙の族は声をかぎりにうたひ   
ほたるはみだれていちめんとぶ
     ……赤眼の蠍
        萓の髪
        わづかに澱む風の皿……
蛍は消えたりともったり
   
泥はぶつぶつ醗酵する
     ……風が蛙をからかって、
        そんなにぎゅっぎゅっ云はせるのか
        蛙が風をよろこんで、
        そんなにぎゅっぎゅっ叫ぶのか……
北の十字のまはりから
三目星(カシオペーア)の座のあたり
天はまるでいちめん
青じろい疱瘡にでもかかったやう   
天の川はまたぼんやりと爆発する
     ……ながれるといふそのことが
        たゞもう風のこゝろなので
        稲を吹いては鳴らすと云ひ
        蛙に来ては鳴かすといふ……
天の川の見掛けの燃えを原因した   
高みの風の一列は   
射手のこっちで一つの邪気をそらにはく   
それのみならず蠍座あたり  
西蔵魔神の布呂に似た黒い思想があって   
南斗のへんに吸ひついて   
そこらの星をかくすのだ   
けれども悪魔といふやつは、   
天や鬼神とおんなじやうに、   
どんなに力が強くても、   
やっぱり流転のものだから   
やっぱりあんなに   
やっぱりあんなに   
どんどん風に溶される   
星はもうそのやさしい面影(アントリッツ)を恢復し   
そらはふたゝび古代意慾の曼陀羅になる
     ……蛍は青くすきとほり
        稲はざわざわ葉擦れする……     
うしろではまた天の川の小さな爆発   
たちまち百のちぎれた雲が   
星のまばらな西寄りで   
難陀竜家の家紋を織り   
天をよそほふ鬼の族は   
ふたゝび蠍の大火をおかす
     ……蛙の族はまた軋り
        大梵天ははるかにわらふ……   
奇怪な印を挙げながら   
ほたるの二疋がもつれてのぼり
まっ赤な星もながれれば   
水の中には末那の花
あゝあたたかな憂陀那の群が   
南から幡になったり幕になったりして   
くるみの枝をざわだたせ   
またわれわれの耳もとで   
銅鑼や銅角になって砕ければ   
古生銀河の南のはじは   
こんどは白い湯気を噴く
        (風ぐらを増す
         風ぐらを増す)   
そうらこんどは   
射手から一つ光照弾が投下され   
風にあらびるやなぎのなかを   
淫蕩に青くまた冴え冴えと   
蛍の群がとびめぐる

・・・・・・・・・・・・・・・ここまで
引用は「宮澤賢治全集Ⅰ」より

そんなわけですので、気になって2話以降もみています。

いつも物語とはすこし離れたところで、事件が解決した後に、
賢治のことを語る寛治さん。

2話では「宮沢賢治は質屋の息子だった・・・」と言う賢治の解説。

3話では 「よだかの星」の一節をそらんじてました。
  「もしあさっての朝までに、お前がそうしなかったら、つかみ殺すぞ」
  鷹にそう言われたよだかは絶望し、太陽に焼かれてもいいからと、空を飛んだ」

4話は特になし(残念!)

5話では、ゲストが演じていた村の娘・町子さんと恋仲になりそうな気配の中、
事件が解決してまた別の温泉町に旅立つときに、
「あなたは賢治の妹トシのような人だ・・・」みたいなことを言っていました。

さて6話以降はどうなるのか、
また何か引用が出てこないかなあ(お話から外れたところで楽しんでいるけれど)。

【8.13追記】
6話では、「インドラの網」でした。
  ↓ この部分ではなかったかしら、うっかりぼんやりみていてチェックし忘れ!
  いまはすっかり青ぞらに変わったその天頂から四方の青白い天末までいちめんはられたインドラのスペクトル製の網、その繊維は蜘蛛のより細く、その組織は菌糸より緻密に、透明清澄で黄金で又青く幾億互に交差し光って顫(ふる)へて燃えました。


宮沢寛治さんは、宮沢賢治とどんな関係があるのでしょうか?。
賢治生誕120年の今年、寛治さんががんばってくれているのか??
それとも番組制作の堤監督が賢治ファンなのか???
むむむ、なぞは深まるばかりです。

  そういえば、この夏上映中の映画「シン・ゴジラ」には
  春と修羅がでてくるらしいのですが、どんなふうに登場するのかは
  映画を見ていないので(見るだろうか?)わかりません・・・。
  庵野さんも賢治ファン? 
  庵野さんといえば、エヴァの新作を映画館で観られる日はくるのだろうか
   ・・・気になる(よねえ、うさぽんさん!?)

「神の舌を持つ男」の最終回は、花巻が舞台になるといいなあ。


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pooh

おはようございます(^_^)
ドラマは見ていますよ~、温泉が登場するのも楽しみ。
違う視点で見るのも楽しみがありますね。
暑い日が続いていますので、お体にも気をつけて
お過ごしください。
by pooh (2016-08-13 07:29) 

ゆきねこ

poohさま ありがとうございます
poohさんブログで紹介された
ご存知の温泉も出てくる(きた?)かもしれませんね。
知っている温泉が出てきたらドラマももっと見入ってしまいそう。
poohさんもまだまだ暑いこの夏、どうぞお元気にお過ごしください。
by ゆきねこ (2016-08-13 08:50) 

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