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草野心平さんの口福弁当おしながき [散歩と旅と]

2017年5月21日に福島県の
いわき市立草野心平記念文学館 http://k-shimpei.jp/
で開催した「心平さんの胃袋探訪」 
講座についてはこちら
 →http://bonjour-konogoro.blog.so-net.ne.jp/2017-05-27


試食でお出しした「心平さんの口福弁当」おしながきのご報告です。
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写真左上から時計回りに「五月」「丸と角」「牛タン」「ラプチョン」「松前漬」「美人の胴」
右下「筍のフレンチドレッシング和え」「菊花ごはん」「対話する馬鈴薯と玉葱」
「大根の半日漬け」

お弁当の内容は、
(1)企画展「草野心平の詩 料理編」の展示内容を楽しめるもの
(2)そして「お花」が目玉のメニュー
(3)メニューの組み立てを3部構成にして楽しんでいただけるようにしました。
   1 居酒屋「火の車」の味
   2 『わが酒菜の味』を中心に、心平さん料理本の味
   3 心平さんの愛とことばの味
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今回のおはなしと試食のメニューを考えるのに参考にしたのは
主に次の本です。
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その中でも、展示されている『わが酒菜のうた』全文が掲載されている
『口福無限』 (昭和56年 講談社)を主なテキストにしました。
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・・・だから「口福弁当」なのです。そうして心平さんのレシピから
17種類を再現、あるいはアレンジさせていただきました。

レシピつきレジメをつくりました。
今回参加できなかったみなさまや、心平ファンの皆さま
ぜひお家でも作ってみて、心平さんの世界を楽しんでみて下さいね。

記念館でこんな素敵な表紙をつけてテキストにしてくださいました。
後ろにあるのは、企画展のパンフレットです。
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ありがとうございます♪

口福弁当 ~おしながき~
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  【注意とお願いなど】   
   心平さんのエッセーに材料は載っていても分量はほとんど掲載されていません。

   それであくまでも「試作」という形で作りました。
   掲載しているのは2人分、または、4人分で考えたオリジナルレシピです。
   材料もエッセーに載っているもの+アルファ(あるいはマイナス)で使用しています。
   ご了承ください!

①火の車の味
         昭和27年から約4年間、
         東京小石川で開店していた居酒屋「火の車」のメニューから3品。
                火の車では心平さんが名づけた数々の酒の肴が出されていました。 

         詳しくは『火の車板前帳』や心平さんのエッセーをご一読下さい

★「五月」  まぜ合わせたもの。胡瓜、ウド、玉葱、インド製カレー粉、砂糖、酢、その他
 ・・・というお料理です。カレーのスパイスが5月の爽やかさを
   あらわしているのかもしれません。
【材料】(約4人分)
    胡瓜 1本、ウド 1本、玉葱 1/4個、
    A-カレー粉 小さじ1/3、砂糖 小さじ1、酢 大さじ3、レモン汁 大さじ1、塩 適宜
【作り方】
(1)きゅうりと玉ねぎは薄切り。それぞれに塩少々でもんで、しばらくおき、ギュッと絞る。
  ウドは皮をむいて薄切りにし酢(分量外)を少々入れた水にさらして、水気を切る。
(2)Aをあわせたボールに(1)を入れて和える。冷蔵庫で30分から1時間程度味をなじませてからいただく。

 

★「丸と角」 チーズとカルパス
 ・・20代に中国で勉学に励んでいた心平さんの「食」は、
  中国料理の影響も大きいような気がします。
  カルパスと中国の食材「ラプチョン」という中国ソーセージは
  ちょっと似ているなあと思うのです。
【材料】
   チーズ、カルパス 各適量
【作り方】
(1)チーズは角切り、カルパスは輪切りにする。
  口福弁当では楊枝に刺してお出ししました。


★「美人の胴」 上等なかまぼこにわさび
 『火の車板前帳』によると「いたわさ、ちゃちなものはつかっていない」という1品。
ちょっとなまめかしい印象もありますね。
今回はいわきの台所「やっちゃば」で見つけたちょっと高級な鯛のかまぼこを使いました。
【材料】
  かまぼこ、わさび 各適量
【作り方】
(1)かまぼこは好きな大きさに切り、切れ目を入れて、わさびをはさむ。




②「わが酒菜の歌」を中心に、心平さん料理本の味11品

★「対話する馬鈴薯と玉葱」
「アンチョビ」「馬鈴薯と玉葱の対話」
それぞれのエッセーから食材をもらいました。 
心平さんのように馬鈴薯を生で食べるのは大変なのでポテトサラダ風にアレンジです。
今回じゃがいもは皮をむいてゆでましたが、
心平さんなら皮つきのままのじゃがいもを使うかな!?
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【材料】
 じゃがいも 2~3個、玉葱 1/4個、アンチョビ 1~2枚、マヨネーズ 大さじ2、塩 少々、
 A- オリーブオイル+アンチョビの残り油 大さじ3、にんにくみじんぎり 1/2片、
【作り方】
(1)じゃがいもは皮をむいて一口大に切る。
  玉ねぎは薄切りにして、塩少々でも見、しばらく置いてぎゅっとしぼる。
  アンチョビは包丁でたたいてペースト状にする(油も置いておく)。
(2) 鍋にじゃがいもと、水を入れ火にかける。
   じゃがいもが柔らかくなったら水を捨てて弱火で粉ふきにし、粗くつぶす。
(3 )フライパンにAを入れ、弱火でにんにくの香りが出たら、アンチョビを加え炒める。
(4)(2)と玉ねぎをマヨネーズで和えて器に盛り、(3)をたっぷりかける。


★「ラプチョン」
ラプチョンという中国のソーセージみたいなものがあるが、これを蒸すなり、また油をひかずにフライパンで温っためるなりしてそれを薄く輪切りにして日本葱か玉葱を薄く切ったのと一緒にやると、これも日本酒に合う。
(「わが酒菜のうた」より)

神戸・南京町で購入しました。フライパンで焼いて提供しました。
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南京町こんなところです。
http://www.nankinmachi.or.jp/
横浜にあるのは中華街、神戸にあるのは南京町なんです。


★「腐乳(ふういゆ)」
これは豆腐が材料だけれども、いわば中国産のカマンベールみたなもので、洋酒にも会う。
(「わが酒菜のうた」より)

神戸・南京町で購入しました。しょっぱいチーズ風なお豆腐といったらいいでしょうか。
発酵食品です。唐辛子の辛みをつけたものもありますが、今回はプレーン味。
心平粥と一緒に味わっていただきました。 



★「するめ・松前漬」
するめをふきんできれいに拭き、長さ二センチくらいの短冊切りにする。
生人参を、やはり二センチ位の長さに細く切る。醤油と酒と味醂をまぜたものを丼に
入れ、その中にするめと生人参を入れる。一日くらいたてばもう食べ始められるけれ
ど、二、三日してからのほうが余計うまい。
(「わが酒菜のうた」より)

するめ+昆布の松前漬けの素 岩手で購入しました。
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【材料】
 するめ 昆布 人参 しょう油 煮切りみりん 各適量
【作り方】
(1)するめ、昆布はさっと水洗い。人参は千切りにしてさっとゆがく。
(2)するめが浸る程度の水、しょう油、煮切りみりんを加え1日程度漬け置きにする。


★「海老の尻っぽ」
以前から私はてんぷらの海老では尻っぽが一番旨いと思っていたから。
あの尻っぽのパリパリした香ばしい味わいはなんともいえないものだ。
(「わが酒菜のうた」より)
 
心平さんのエッセーには「えびは尻尾が一番うまい」という内容のものが
ときどきでてきます。
今回は神戸・南京町でみつけたえびスナックをお出ししました。
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180-190℃の油で揚げるとむくむくふくらむ おおきな海老せんべいです。
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パリパリといただきました。



★「たけのこのフレンチドレッシング和え」
根まがりだけの細い筍を高野豆腐と甘辛く煮るのもいいが、塩ゆでしてフレンチドレッシングなんかをかけたのもいただける。
(「わが酒菜のうた」より)
・・・と記載があるのですが、今回は孟宗竹を使いました。

【材料】
ゆでたけのこ 150g、塩 少々
A-(作りやすい量)
  酢 大さじ2、オリーブオイル 100ml、
  塩、マスタード(今回は粒マスタードを使いました) 各小さじ1、
  こしょう 少々、
【作り方】
(1)ゆでたけのこは、塩ゆでして一口大に切る。
  Aをあわせてフレンチドレッシングを作る。
(2)Aの適量と(1)を和える。
  冷蔵庫で1時間以上置くと味がなじんでおいしくなります。
  


★「とり皮」
ひなどりの皮を蒸してそれを縦切りにして、椎茸と晒し葱と一緒にオリーブオイルで
さっと炒める。味は塩味にする。
(「わが酒菜のうた」より)

・・・以上をアレンジして、皮つきの鶏のもも肉、椎茸、ねぎをオリーブオイルで炒めました。
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★「牛タン」
近頃はすっかり怠けものになってしまったけれど、以前はよく所沢まで買い出しに行ったものだ。
(中略)
いわゆる肉は買ったことはまずなかったが、舌(タン)だけはいつも買うのを忘れたことはなかった。
(「味の風土記」より)

牛タンの加工品を仙台で購入しました。

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★「花のサンドイッチ」
「わが酒菜のうた」をはじめ、心平さんの食のエッセイの中には花を食べたことがよく書かれています。
ざっと取りあげても、すずらん、あやめ、れんげ、つつじ、野バラ、ぼたん、クチナシ、ジャスミンなど・・・。
中には現在では毒性があると言われるものもあるので、全てのまねはできませんが、
それでも花を食すことで愛でる心平さんは詩人だなあと、そんなところが私は大好きです。
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心平さんは花を主にサンドウイッチにはさんだり、オープンサンドにして乗せたり、
さっとゆがいて二杯酢で食べています。
今回は1973年9月号の「きょうの料理」テキストで心平さんが自慢料理として書いているレシピから
ヒントをもらい、食用花を使ったサンドウイッチをつくりました。
「きょうのりょうり」ではトーストパンを使用したオープンサンドを紹介していますが、
今回はいわきの「ラ・パン」さんの食パンを焼かないでサンドウイッチにしました(耳までおいしかった)
ジャムはママレードとバラのジャムを用意しました。
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【材料】
  パン、バター、マーマレード、バラジャム、食用花 各適量
【作り方】
  パンを四角く四つに切って、バター、ママレードなどを塗り、花びらをはさむ。
 

★「大根の半日づけ」
 こちらも上記の「きょうの料理」に書かれていたレシピです。分量がなかったので試作しました。
 ちょっと甘辛い即席お漬物です
【材料】
大根1本、 しょう油、酒、みりん 各1/2カップ
【作り方】
(1)大根は5cm厚さの輪切りにし、皮をむき、縦に薄切りにする。
  葉も細かく刻む。
(2)酒、みりんは煮切る。
  ボールにしょう油、煮切った酒、みりんをあわせ(1)の大根を1時間半以上漬ける。


★「菊花ごはん」 心平さんレシピにはありませんが、「花」つながりで。
 岩手の干し菊を使ったごはんです。
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使用した米は青森のブランド米「青天の霹靂」でした。
個人的に食べてみたかったお米だったのでまさに口福(ラッキー)でした!?

【材料】
  米 2合、昆布 5センチ角1枚、酒 大さじ1、塩 小さじ1、干し菊
【作り方】
 (1)米はといでざるに上げる。昆布と酒、分量の水を入れて炊飯器で炊く。
 (2)干し菊は沸騰した湯にちぎって入れてさっとゆがく。  
 (3)炊けたごはんに(2)を盛りつける。



③心平さんの愛とことばの味:
心平さんの作品に「料理について」というものがあります


    料理について
              ゼイタクで。
              且つ。
              ケチたるべし。
              そして。
              伝統。
              さうして。
              元来が。
              愛による。
              発明。


★「心平がゆ」
壇一雄さんが名づけた心平さん考案のお粥です。
上記の「きょうの料理」ほかエッセーにもいくつか登場しています。
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心平さんのレシピでは米とごま油が同量とか、水が5、油が2という表記があるの
ですが、現代では少々こってりなので、今回はごま油控えめで作りました。
ただし心平さんが言う通り、煮ているうちにギトギトした感じはなくなり、香ばしいお粥になります。
ゴマ油を使ったお粥は、心平さんが中国料理の影響を受けているのかもしれないなあと思うのです。
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【材料】(2人分)
 米 1/2合、水 400ml、ごま油 大さじ1、梅干し、バラの花びら 各適宜
【作り方】
(1)米をとぎ、分量の水、ごま油を加えて炊飯器「お粥モード」で炊く。
  または鍋に入れて煮立ったら弱火にして1時間半程度煮る(水分注意)。
(2)器に盛り、梅干し、バラの花びらを散らす。


★「コーヒー葛湯」
『草野心平全集9巻』(初出は『わが青春の記』)の「母の舌」に登場する
心平さんが病気のお母さんに作り大感動させた妙ちきりんな飲みもの。
「おいしいわ」といってたべた心平さんのお母さんは心平さんの妹たちにも自慢げに報告していたといいます。
しかし、その後、お母さんがコーヒー葛湯を作ってと言ったかどうかは・・・・

ややお砂糖多めにしたほうが個人的には美味しいような気がします。
とろんとして不思議な口当たりのコーヒーです。
片栗粉ではなく、葛粉でぜひ作ってみて下さい!

【材料】コーヒー 200ml 、葛粉 大さじ1、砂糖 適量、
【作り方】(1人分)
     材料をよく溶かし、煮立つまで混ぜつづける。
     とろみがついたらできあがり。
     


★「ジャスミン茶」
いま私の庭には他の秋草の花々の中にまじってサイプレスヴァインとジャスミンの白い花が咲いている。そこで私の考えたのはジャスミンスープである。器は白の皿であること(金の線でふちどられていてもいい)スープはコンソメであること。
テーブルに出すとき、ジャスミンの花を浮かす。
(「私の空想料理」より)

ジャスミンスープに想いを馳せてジャスミン茶を用意しました。
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これも神戸・南京町で購入。プーアール茶も。


以上が今回の口福弁当メニューです。
準備は朝からおおいそがし!
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お手伝いいただいた関係者の皆さま
そして召し上がって下さったみなさまありがとうございました!


当日の様子は
いわきの「日々の新聞 第342号」でもとりあげてくださいました。
http://www.hibinoshinbun.com/files/342/342_tobira.html
ありがとうございました!

心平さんのレシピ これらはまだまだほんの一部です。
ぜひ心平さんの本から色んなおいしいものを見つけてみて下さい。

私もこれからも心平さんレシピいろいろ調べていきたいなあと思っています。

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まるたろう

口福弁当、いろいろなものがぎっしりですね。
食べた人が幸福になるといったところでしょうか。
by まるたろう (2017-06-11 14:02) 

ゆきねこ

まるたろうさま ありがとうございます
流石!お分かりいただいてうれしいです。
心平さんの本のタイトルから頂いたものですが
口福=幸福も込めてつけた名前でした。
なにより私自身がたのしむことができ幸いでしたが、
そんな楽しい気持ちが
参加のみなさんに伝わっていたらいいなあと思っています。
by ゆきねこ (2017-06-12 19:40) 

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